嘘の無い世界☆それは☆彼の世界

嘘の無い世界☆それは☆彼の世界

自閉症で重度知的障害のある息子。虐待で支援学校に行けなくなってから早7年。傷ついた心は何処へ

支援学校入学・その後。体調を崩し休み始める

体調を崩す

エテは体調を崩した。慣れぬ事で疲れも出たのだろう。

吸入器を学校に持って行って、“体調悪いので学校の方でも吸入お願いします”と

お願い出来ればいいがそんな事は出来ない。支援学校と言えどそれは無理な話。

体調が悪くなると喘息の発作が起きないか心配なので休ませるしかない。

慣れない1年生の間は、体調を崩す事も、学校を休む事も多くなるだろうとは

思っていた。一度体調を崩せば、元より体の弱いエテの事不調が続く。

そして度々休まなくてはならなくなった。さて、ここで問題が生じる。

嫌で嫌で行きたがらなくなっていた学校。具合が悪くて休んでいる間に

すっかり《行かないモード》になってしまっていたのだ。

だがここで行かなければ多分もっともっと行きたくなくなるだろう

朝の準備のグダグダが長引くと通学バスに間に合わず、タクシーで

連れていく事もあった。半強制的に手を引き、そして背中を押した。

だが、それはエテを益々殻に閉じ込めた。学校を休んでいる間に行きたく

ない気持ちがリセットされてはいないか?密かに願っていたが無理だった。

 

行けなくなっていく。完全に行けなくなっていく。体が、心が拒絶していた

ある日の朝。母は深いため息をつき、そして電話をする。

『体調悪いので休ませようと思います。伝えて貰えますか』

通学バスで同じバス停から乗って行く支援学校の保護者の方に休む旨を話し

バスの先生に伝えて貰う。『大丈夫ですか?お大事にして下さいね』

優しい声が聞こえてきた。何故だか、涙がこぼれた。

 

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【月は平等に全てを照らす】

先生とエテ

学校を休んだ時は先生から電話がくる。『エテ君の具合はどうですか』と。

休んだ日は必ず電話があったし、わざわざ家まで様子を見に来てくださる。

休みが続く様になった頃には『遅くなってもいいので来れませんか!?』

と言われるようになった。体調は良くなったが精神面がまだ。。。

エテは先生からの電話を嫌がった。朝の電話は学校に行かされると思うのか

電話の最中に大きな声で,やなのー!と繰り返し繰り返し叫ぶ。

エテの声のせいで先生の声が聞き取りにくい。何がそんなに嫌なのか??

エテがそんな風でも休むたびに先生は熱心に家まで足を運んでくださる。

申し訳ないと思う。体調面より今は精神面で行けなくなっている事を

それでもまだ言えずにいた。いつか元気に行ける様になればそれでいい。

余計な事を言うと先生との関係が壊れるのではないか??

エテと先生との信頼関係がなくなってしまわないか??

そう言う事ばかりを考えて、結局話す事も相談する事も出来ずにいた

 

ある時エテが休んだ日、いつもの様に先生が様子を見に来てくださった

エテを玄関先まで呼んだのだが、先生の顔を見るなり『やなのー』と言い

バタンと戸を閉めて逃げていった。本当に申し訳ない気持でいっぱいだった

だが、エテの様子を見た先生は笑いながら言った

 

『みんなそうなんです。担任の時は怖がられて嫌われるんですよ』

『2年になって担任じゃ無くなれば懐いてくるので大丈夫です』と。。。

 

母が先生に対して気に病む事は何もなかったらしい

先生は分かっていたのだ。エテが担任である自分を怖がり嫌っている事を。。

正直だね。。。先生  正直な人、母は好きだよ。。。

 

でも、来年の話ですか!?入学したばかりなのにもう来年の話!?

2年生になった時に懐く事が、今のエテにとって意味がある事なのか!?

何故に先生を怖がる!?何故に先生を嫌う!?何故!?どうして!?

対処出来ないのだろうか!?怖がって学校に行きたくないという状況を

来年ではなく、今、どうにか出来ないのだろうか!?

 何とも言い様のない、どうしようもない虚しさが母の中で渦巻いていた

 

 

実は、母には、ずっと気にしている事がありました

入学式の日、担任の先生との面談があった時にオムツの話をしたのです

オムツの事は知っているだろうけどちょっと言っておきたい事があって。

汚い話で申し訳ない。エテの便は常に下痢状で匂いもきつかったのです

母としてはその事が気になっていて話しておかなくてはと思っていたのです

『先生、すみません。エテの便は匂いがきつくて。申し訳ないです』

すると先生が顔を歪めたのです。正直な反応でした

支援学校に通う子でもオムツが取れてる子はきっと沢山いるでしょう

オムツの為に支援学校を選んだ様なものでしたがやはり気になっていたのです

赤ちゃんでもない他人の子の匂いのきついオムツを替えさせる事を。

只々、申し訳ないという思いでいっぱいでした

何かあっても、申し訳ないという気持ちが先に立ち何も言えずにいました

エテが学校に通った3か月の間、エテの為に何もしてあげられなかったです。

先生の歪めた顔を見てからは負い目だけを感じていました。

情けないです。障害児を持つ母として完全に失格です