トラウマ
ートラウマとはー
大きな精神的ショックや恐怖が原因で起きる心の傷。精神的外傷。
心的外傷(しんてきがいしょう、英語: psychological trauma、トラウマ)とは、外的内的要因による肉体的、また精神的な衝撃を受けた事で、長い間それにとらわれてしまう状態で、また否定的な影響を持っていることを指す。
心的外傷が突如として記憶によみがえり、フラッシュバックするなど特定の症状を呈し持続的に著しい苦痛を伴えば、急性ストレス障害であり、一部は1か月以上の持続によって、心的外傷後ストレス障害(PTSD)ともなりえる。心的外傷となるような体験を、外傷体験(英:traumatic experience)という。(wikipediaより)
エテと買い物に行く。一人で行けば当たり前の様に通る道がある。
だがその道をエテと歩いて買い物に行こうとした時エテの足が止まった。
買い物をする為に外に出る時はいつも、遊びながら進んだり、止まったり、
寄り道したりとのんびり、ゆったりと行くのでその時も特には気にしなかった。
歩いている途中で何か気になる物でも見つけたのかとエテの歩調に合わせ
自分も足を止めてみる。するとエテは私と繋いでいた手をぎゅっと強く
握りしめ『学校やなの』と言う。学校が嫌だと言う言葉は時々口にするので
『学校には行かないよ』といつもの様に言って安心させる。
だがそれでも『やなの、やなの』と繰り返し、動こうとしない。
学校には行かないよ、と繰り返し答えてあげるのだが私の声はエテに届いていない。
じっと立ちすくんだまま。パニックを起こして何処かへ行ってしまわないか
心配しながら見守る。何処を見ているか分からない目は虚ろでとても弱々しく、
まるで小さな小さな子供を見ている様だった。何もしてあげられない。
そう言えばこういう事が前にあったなあと思いながらエテの手を握りしめていた。
暫くして少し落ち着いたのか抱っこをせがんだ。
母よりちょっと大きくなったエテを抱っこした時に “ああ、そうだった” と
私にも苦い記憶が蘇った。この道はまだ小さかったエテを抱っこして
通学バスに乗せる為に歩いた道だった。学校に行けなくなってからは
エテと買い物に行く時、この道はなるべく避けていた。途中までは歩いても
バス停が近くなると回り道をして成るべくここは歩かない様にと気を付けていた。
が、私は忘れていた。何も考えずにエテと手を繋ぎ歩いていた。
あれ程気を付けていたのに・・・
【買い物の帰り道。袋は無理矢理持たせてみた笑】
私が車を運転出来ないので買い物に行く時は近くに歩いていくしかない。
通学バスが走るその道をエテが嫌がっていたのをいつの間にか忘れていた。
エテがその道を歩く事がどれ程嫌な事だったのか、どれ程苦しい事だったのか
母である私は忘れてしまっていた。エテの心の中からはまだ消えていない。
エテの中では6年前の学校での怖かった出来事はトラウマとなり、
何かのきっかけでフラッッシュバックを引き起こすのではないだろうか?
この時は通学バスに乗る為の道を歩いていた事から学校の事を思い出し、
再び学校に連れて行かれるのではないかと考え、極度の不安を覚えたのではないか?
『学校やなの』という言葉になり、体が硬直し動けなくなってしまったのではないか?
周りが、もう大丈夫!とか、そろそろ前に進む必要がある!とか、時間が解決する!と
か色々言ってあげても本人は6年経った今なお、こうやってトラウマで苦しんでいる。
どうやって進んで行けばいいのかを彼に伝える事が果たして出来るのだろうか?
何をどうやって伝えてあげればいいのだろうか?
エテ、君のトラウマがどれ位の大きさで、どこにぶち当たり、何から抜け出す事が出来
ずにいるのか、母が全てを理解出来るといいのだけどね。
辛さを共有する事すら出来ない情けない母だね。
【エテとの買い物の途中で見つけた彼岸花。大好きな花。子供の時に首飾り作ってました】