支援学校から届いた郵便物。
ある日、支援学校から郵便物が届きました。
大きめの封筒です。
封筒には「入学出願書類 在中」と書いてありました。
入学出願!?
エテが今中学3年生で今年中学卒業という事をちょっと忘れていました。
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「入学出願書類」
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長期不登校のエテ・・トラウマがあり支援学校に通う事が出来ませんでした。
記憶力が良く学校までの道のりも完璧に覚えているので、何気なく学校の近くに行ってみるという事も出来ませんでした。
エテにとって支援学校とは遠い世界であり、二度と行く事のない考える事もない場所でした。
それは親である私もいっしょで、いえ・・もしかしたらそれ以上の思いで支援学校というものを捉えていました。
トラウマになるほど辛い思いをした学校を許した事は正直一度もありませんでした。
エテの辛い思い以上に私の心に引っ掛かってきたものはその後の学校の対応で、学校から職員が訪問するたびに悔しさ、歯がゆさからいつも大声で怒鳴っていました。
後で必ず反省するのですが・・まあエテの事があるとはいえ自分の悪い部分です。
学校に対する自分の気持ちがカチカチに固まっている所に届いた封筒・・
そして封筒に書いてあった「入学出願書類」なる文字・・
これは私の学校に対して持ち続けていた憎しみに近い思いを溶かそうとしていました。
「入学出願書類」・・それは私にとって魔法の言葉でもあったのです。
魔法の言葉「入学出願書類」°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
入学出願の書類を出したい!!
入学出願の書類を出したい!!直ぐにそう思いました。
エテの長期不登校の事など頭の中から飛んでいて、入学出願の書類を出したいと単純に思いました。
そして不登校エテに対する親としての自分の思い、気持ちをその時にはっきりと知る事が出来ました。
エテを、出来るものなら学校に行かせてあげたい!!
支援学校にトラウマがあるエテ、行けないのであれば支援学校とは縁を切ろう!行かせる事は諦めようと決めていました。
それでも学校に通う子供達を見ては羨ましくなり、エテの不憫さに涙を流した事は数え切れないほどあります。
そんな思いで過ごしてきた9年間でした。
でもやっぱり心のどこかでエテを学校に通わせてあげたいという思いはずっと残っていたのです。
そんな私の心の中に「入学出願書類」なる文字がキラキラと飛び込んできたわけですよ!?
このビッグウェーブ、乗るしかないじゃないですかあぁ~~
★゚*♪☆―(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイエ―イ★゚*♪
学校へお願いした事。
という事で、学校に電話しました。
支援学校にウキウキとした嬉しい気分で電話する日が来るとは・・思いもしませんでした。
根が単純なのでそこら辺は深く考える事もなく、躊躇する事もなく電話出来ました。
ですが、今現在エテは学校に全く通えていません。
こんな長期不登校のエテでも進学出来るの!?という不安はあります。
出願の書類を出してもその後エテが学校に行って面談とか出来るのか・・ほぼ無理なのです。
私が一人で書類を持って行く事も出来るのですが、学校の職員が誰もエテを見ていない状態での出願って出来るのかなあと心配になったのです。
「長い間エテ君を誰も見ていないので不合格となりました」ってなったら悲しすぎるし・・
思い切って学校側にお願いしてみました。
職員の方に家に来てもらってもいいのですが、エテは多分玄関まで出て来ないのです。
ならば、自宅ではないけどエテが何の疑問も抱く事なく学校の先生方と会う事が出来て、私も色々と話を聞く事が出来る場所・・
そう!それは公園です。
教頭先生が快く聞いて下さり公園で会える事となりました。
エテはよく行く好きな公園なので喜んで出かける事が出来ました。
公園には学校から二人、支援員の方など四人が来て下さいました。
そして私を入れた大人七人でエテを見守りながら話をしました
エテはそこの公園に行くと必ず水遊びをするのですがその日も最初から最後まで飽きずに水遊びをしていました。
七人の大人たちがじーっと見ていても全く気にする事もなく蛇口から流れる水の世界に入っていました。
人が気にならないというか、人を気にしないというか、人が目に入らないというか・・
精神年齢が3歳とちょっとなので幼い子が周りを気にしないのと同じ様な感じなのだろうと思ったりします。
エテが水遊びに集中してくれたので私は先生方とゆっくり話をする事が出来ました。
高校生になると中学までとは違った授業になると話されていました。
就職に向けての色々な事が始まるのかなあと思いました。
生徒さんが作成したという作品を見せてもらったのですが、素晴らしい出来でした。
私は不器用なので決して自分では作れないだろうという様な物です。
エテはひとつの作品を見るとひと目で気に入ったらしく家に持って帰りたいとしつこく言ってました。
ひと目見て物を欲しがるというエテを見たのは生まれて初めてでした。
もしかしたら支援学校の生徒さんの作った物だからエテにとって惹きつけられる何かがあったのかなあと・・密かに思ったりしました。
エテもいつかそういった素敵な物を自分で作れるようになればいいなあと、夢が広がる思いです。
公園で大好きな水遊び。靴を濡らすのも楽しみのひとつ
公園会談、無事に終わって解散。そして・・・
ゆったりとした時間が流れていき無事解散する事となりました。
私やエテにとってはゆったりとした時間ですが、先生方や支援員の方々にとっては忙しい中こちらに合わせてくれた時間です。
我儘を聞いていただき素敵な時間を作ってもらえた事に本当に心から感謝致します。
私の中の支援学校に対する今までの怒り、憎しみ、悲しみ等が溶けて消え去った思いがしました。
学校側との話し合いをずっと望んできた私の思い・・・
自分の中の何かを解決したいという思い・・
きっとこういう事だったのだろうと思います。
憎しみや怒りを持ち続けるという事は生きていく上で何一つ良い事はないのです。
皆様に感謝です。
そして・・そして・・
学校から嬉しい通知が届きましたよっと!!!!
ジャジャーン!!これです!!
ちょっと薄いですが「入学を許可します」と書いてありますね!
支援学校なんだから許可は当たり前!と思う方もいるかもしれませんが、ほとんど学校に通えていないエテが許可してもらえるのか!?本当に心配でした。
自分の試験の合格通知が来た時のように本当に嬉しいです(≧∇≦)
感謝、感謝でございます°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
エテがこれから学校に行けるかどうかはわかりません。
もし行けなかったら・・もうそれでもいいのです。
でも可能性というものがまだエテにもあって、その第一歩がこの「入学を許可します」という通知にぎゅっと詰まっているのです。
エテにも私にも、まだ見る夢があったのですね
母は嬉しいっス~~!