絶対に叶う魔法があったなら・・
愛する我が子に障害があるとわかったあの時。
軽度なら成長する事で治る!という話を何かで読み信じていたあの頃。
3歳、最初の診断が軽度だったエテは次の検査では中度となり最終的には重度となり・・
障害は少しづつ重くなっていった。
「軽度だった、良かったいつか治る!」と軽く考えていた私に先生の言葉は重かった。
「成長しても今とそれほど変わる事はない。話せるかどうかわからない」
今思えば、何故軽度の障害なら治ると信じていたのかわからない。
そんな無知でもあるまいと今なら笑える話ではあるが・・
「軽度ならグレーゾーンという事で診断の間違いがあるかもしれない」
もしかしたら、そういった勝手な願望が心のどこかにあったのかもしれない。
エテの障害は成長と共に治るようなものではなく、それは一生背負って生きていかなくてはならないものなのだと理解した。
自閉症の本を図書館で借りたり、自分で買ったりしてどのように育てていけばよいのか思い悩む日々が続いた。
ある時、『絶対に叶う魔法があったらどうする?』といった文字を目にした。
今までだったら魔法って何!?と気にもしないような言葉なのだがその時は気になった
当時のエテは全く言葉が出てこず話す事はもちろん、ママという簡単な単語でさえ言えなかった
悲しかったのは言葉が出ないという事もそうだったが、何より母を認識出来ているのか?出来ていないのではないかという事だった。
愛情を目一杯注いでいる我が子は母を理解出来ていないのではないか!?
そんな時に目にした『絶対に叶う魔法があったらどうする?』といった文字
10年以上前のある日の出来事、当時読んでいた自閉症の本にその時の思いが書かれてあった。
今はほとんど開く事はなくなった自閉症の本だが片付けの時に見つけて、開いて懐かしく読んでいたら自分がその時に書いていた言葉をみつけた。
完全に忘れていたが、『絶対に叶う魔法があったらどうする?』・・昔の自分の書いたものを見て当時の思いが甦った
絶対に叶う魔法が使えたらどうするか?と書いてある。
読むと今でもその時の自分の苦悩が手に取る様にわかるしその時が思い出される。
私は魔法が使いたかった・・らしい。
母を認識する事や理解する事が出来ないのなら、それが障害からきているのなら魔法で障害を消したいなと・・思っていたらしい。
魔法なんて現実の世界にある筈はないのに・・
エテの障害は受け入れたと思っていたのに・・
読んでいたら当時の辛さを思い出し・・涙がこぼれてしまった
本のなぐり書き写真撮って載せようかと思ったけど・・恥ずかしいからやめておこう!
「魔法なんて必要なかったよ」って教えてあげたい
あれから10年以上がたってエテは15歳になった。
あの時に戻って「魔法なんて必要なかったよ」って教えてあげたい!
そんなに悩む事ないよって!
時間はエテを成長させてくれたよって!
そして、母も(それなりに)成長しましたよって伝えてあげなきゃ!!
障害は治るものではないし寄り添って、理解して、手助け
してあげる事で成長していくのだよ!!と・・
あの時の自分に・・
偉そうに忠告してあげたいぜ(≧∇≦)
そして、絶対に叶う魔法が今あったなら・・
「楽して体重が10キロ減りますように!」と、取り敢えずお願いしてみるか!