エテの変化。笑顔が消えていく
入学式が終わり日々の慌ただしさの中で少し気になる事があった。エテから元気が
なくなっていったのである。体調が悪いのか!?だが風邪もひいてないし熱もない。
喘息の発作も出ていないし、どこかを痛がる感じでもない。何かあっても
話す事・伝える事が出来ないので、細心の注意を払いながら様子を見ていくしか
なかった。しかし、気にはなったが、先ず学校に行かせる事が最優先!という
気持ちで毎日が過ぎていった。
学校に通い始めてどれ位だったか?通学バスから降りて来たエテの髪がサラサラで
いい匂いがする。『おぉー!!先生に洗って貰ったんだねー(≧∇≦)』嬉しかった。
《なかなかやってあげれなかった髪洗いをやってもらった!流石、支援学校!!》
連絡帳を見ればシャワーを浴びたと書いてあった。母もお礼を連絡帳に書き込む。
支援学校にお風呂があるとは知らず、凄いなあと感心した覚えがある。
エテの元気は益々無くなっていった。エテは元々が元気いっぱいで、ちょっといた
ずら好きで、たまにボケてみたりする明るい子供であった。そのエテから笑顔が
消えていく。笑わなくなった。家にいる時、殆ど笑わなくなってしまった。
担任の先生に言われた事がある。
『エテ君の一番好きな時間はシャワーが終わった後のご褒美の遊び時間です』と。
プレイルームなのかな?室内で走っているエテの写ったプリントを貰った事がある。
確かに笑ってはいた。。笑っては、いた。。。。
【幼き者。辛い時は泣けばいい】
学校への拒否反応が出始める
とうとう、と言うか、ついに、エテは学校を嫌がる様になった。通学バスを降りた
時から次の日の朝、再び通学バスに乗るまでずっと『やなの!』(⇦やっと言える単
語。。)と言い続ける。まあ想定内ではある。少なからずこういう日が来るだろう
とは思っていた。障害が有る無しに関係なく新1年生だと最初のうちはなかなか
学校に馴染めない子が出てくるのではないか。慣れるまでが、慣れさせるまでが
一苦労ではあるがその時期を過ぎてしまえば学校の生活に慣れてくれるに違いない。
そう思いながらエテに対して色々と言い聞かせたり、なだめたりしながら
通学バスに乗せていた。
母の気持ちとは裏腹にエテは少しづつ動けなくなっていった。
具合が悪いのではない。学校に行く準備を始めると体が固まる様になったのだ。
朝は忙しい。バスの時間があるので間に合わないと大変だ。靴下を履いてね!と
頼んでおくが動かない、いや動けない。色んな事をゆっくりと、落ち着いて考える
という余裕がその頃の母にはなかったように思う。支援学校に何としてでも
通わせないと!まだ始まったばかりだ!休ませる訳にはいかないではないか。。。
その時の母の目には支援学校しか見えていなかったのか!?
目の前のエテは母の目には写っていなかったのか!?